今日のコラム


11月18日松下幸之助一日一話(松下幸之助.COM)

民主主義と勝手主義

 民主主義というものは、自分がよければ人はどうでもいい、というような勝手なものでは決してないと思うのです。今日の日本の民主主義はわがまま勝手主義である。勝手主義を民主主義の如く解釈している人が随分あるのではないか、というような感じがします。

 民主主義というものは、自分の権利も主張することは認められるが、それと同時に他人の権利なり、福祉なりというものも認めてゆかなければならない。そういうことをしなかったならば、法律によってぴしっとやられるというような非常に戒律の厳しいものだと思います。それがあってはじめて民主主義というものが保ち得るのだと思うのです。


筆洗

2013年11月17日(東京新聞TOKYOWeb)
 
鉄腕アトムと鉄人28号はどっちが強いか-。子どもの時、そんな議論を戦わせた人もいるだろう。いずれも五十年前の一九六三(昭和三十八)年にテレビでアニメ放映が始まった

▼能力分析はともかく、米国防総省ならば、アトムではなく鉄人を間違いなく選択する。最大の違いは感情の有無だ。アトムは戦いに際して時にためらい思い悩む。鉄人は悩まない。正太郎少年の「リモコン」に命じられたまま、敵を攻撃する

▼パキスタンなどでの米国の無人機攻撃への批判が高まる。民間人が巻き込まれている。モニターの精度の低さなどによる誤爆。それ以上に人の命を奪うことへのためらいを感じにくいことに原因がある

▼操縦は現地から遠く離れた、米国の基地内で行われる。オペレーターはモニターを見てミサイルを発射する。相手のおびえた目を直接見ることも叫び声を聞くこともない。無人機は鉄人と変わらぬ

▼人殺し方法は相手との距離をいかに取るかで進化してきた。直接殴る。剣で切る。銃、爆弾。そして無人機、やがては殺人ロボットへ進む。人間の関与は減る。人の感情を失った戦いはより冷酷になる

▼「アトムは完全ではないぜ。悪い心を持たないからな」。悪党が、お茶の水博士に指摘したアトムの「欠陥」。あれは「欠陥」ではなく、知恵だった。<心やさし科学の子>を米軍が気に入るはずもない。