今日のコラム


11月17日松下幸之助一日一話(松下幸之助.COM)

権威を認める

 一つの会社の経営でも、また個々の責任者が一つの部署を運営する場合でも、そこにみなが認めるような権威というものを求めて、それに基づいて事を成していくことが能率的、効果的な運営をしていく上できわめて大切だと思う。

 会社の創業の精神、経営理念なり使命感、あるいは経営者自身の人徳なり熱意、そういったものをみなが得心して権威として認めるようになれば、物事が能率的に治まっていく。今日では権力というものを否定する風潮が強く、さらにそれが進んでいい意味の権威までも認めないような傾向もみられるが、それはかえって非能率を生むものであるとも言えるのではないだろうか。


筆洗

2013年11月16日(東京新聞TOKYOWeb)

ケネディ大統領が凶弾に倒れた時、長女のキャロラインさんは五歳だった。世界を震撼(しんかん)させたダラスでの暗殺から、来週の二十二日でちょうど半世紀。五十五歳になったキャロラインさんが、新大使としてやって来た

ケネディ家にとり十一月は喜びの月であった。キャロラインさんの誕生日は二十七日で、弟ジョンさんは二十五日の生まれ。六歳と三歳のお祝いを心待ちにしていた二人に届いたのは、最悪の報だった

▼この悲劇ほど、真相が渇望されつつ、その思いが満たされない事件もないだろう。マフィアや軍産複合体の陰謀説、ソ連やキューバの影…。数々の臆測には、政治と外交の闇が投射されてきた

▼真相究明にあたった最高裁判事を長とする調査委員会のスタッフたちも、闇の中で苦闘した。今は老いた当時の調査員らの最後の告白や秘密文書などを基に闇に挑んだのが、シノン著『ケネディ暗殺 ウォーレン委員会50年目の証言』(文芸春秋)だ

▼そこに浮かび上がるのは、秘密の陰で肥大化し硬直化した情報機関の姿だ。大統領に危機が迫りうるという情報すら隠し、責任逃れのためなら証拠隠滅もいとわない組織至上主義…

▼半世紀前の悲劇は、国家の権力に潜む魔物の恐ろしさを教えてくれる。そして国が秘そうとするファイルには、政治家や官僚にとって都合の悪い事実がどっさり含まれていると。