今日のコラム


11月13日松下幸之助一日一話(松下幸之助.COM)

部下に使われる

 一般に、形の上では指導者が人を使って仕事をしているようにみえるが、見方によっては指導者の方が使われているのだとも言える。だから、口では「ああせいこうせい」と命令しても心の奥底では、「頼みます」「お願いします」さらには「祈ります」といった気持を持つことが大事だと思う。
そういうものを持たずして、ただ命令しさえすれば人は動くと思ったら大変なまちがいである。指導者は一面部下に使われるという心持を持たねばならないのである。こうした心境があって、はじめて部下に信頼される大将になり得るのである。

 特に大きな組織、集団の指導者ほど、この心がまえに徹することが必要だと言えよう。


筆洗

2013年11月12日(東京新聞TOKYOWeb)

▼台風の怖さをよく知っている日本人でさえその被害の大きさに驚かされただろう。フィリピンを襲った台風30号。大戦の激戦地だったレイテ島という日本の過去と関係する地名にも鼓動が速まる

▼陸に打ち上げられた巨大な船を見て東日本大震災の記憶に結び付いた人もいるかもしれない。死者数は一万人超という残酷な推測もある

▼米国の専門家は過去に上陸した台風の中で最も強力だったのではないかと分析する。最大瞬間風速は九十メートルで竜巻の風力に匹敵するという。異常な「化け物」台風だった

▼怖いのは「化け物」の出現が当たり前になっていく可能性があることだ。温暖化が原因だという。『図解 台風の科学』(上野充、山口宗彦共著)は温暖化によって台風の数は減る一方、巨大化するという実験データを紹介する

▼専門家の中には二一〇〇年までに海水温度が二度上昇し、その結果、台風の風力を10%強くすると警告する意見もある。台風巨大化の裏には温暖化を引き起こした人間の手がある

▼フィリピンは毎年大きな台風被害に苦しむ。昨年十二月の台風24号の死者は千人を超える。「魂はいかなる台風よりも強い」。今回の被害にも国民はこの合言葉で支え合っている。そのがまん強さに世界は頼っていてはならない。あの地を、「化け物」との「激戦地」にしない道を協力して探るよう期待したい。